ウェハー接合(Wafer Bonding)の基礎|用途と主要方式

ウェハー接合(Wafer Bonding)とは

ウェハー接合とは、半導体の材料である「ウェハー」を互いに貼り合わせて一体化する技術です。スマートフォンや自動車、医療機器などに使われる半導体やMEMSデバイスでは、限られた面積の中に多くの機能を組み込む必要があり、その実現を支える重要な技術のひとつとなっています。

ウェハー接合を用いることで、異なる材料や機能を持つウェハーを組み合わせることができ、より高性能で小型のデバイスを作ることが可能になります。接合方法にはいくつかの種類があり、目的や用途に応じて使い分けられています。

代表的な接合方式

直接接合

直接接合は、接着剤などを使わず、ウェハー同士を直接貼り合わせる方法です。表面をきれいに整えた状態で密着させることで、強固な接合が得られます。余分な材料を使わないため、仕上がりがきれいで、気密性が高いことが特長です。その反面、表面の状態に非常に敏感で、わずかな汚れや凹凸があるだけで接合不良の原因になります。メガソニック洗浄やArプラズマでの前処理装置が必要ですが、接合自体は比較的簡単です。

拡散接合

拡散接合は、金属の層を利用してウェハーを接合する方法です。熱と圧力を加えることで、金属同士が拡散して強く結びつきます。接合と同時に電気的に導通できる点が利点ですが、比較的高い温度が必要になるため、熱に弱い部品には向かない場合があります。プラズマで表面を活性化することで、接合温度を下げることもできます。

TLP接合

TLP接合は、接合の途中で一時的に金属が溶け、その後に再び固まって強固な接合層を形成する方法です。この接合層は最終的に元の材料よりも熱に強い合金になるため、耐熱性の高い接合が可能です。一方で、使用する材料の組み合わせや条件設定が重要となり、設計や工程がやや複雑になります。

陽極接合

陽極接合は、シリコンウェハーとホウケイ酸ガラスとを強固に接合する方法で、MEMSデバイスやの封止によく使われています。接着剤を使わず、加熱と高電圧を同時にかけることで接合するのが特徴です。それぞれの熱膨張係数が一致する温度で接合することで、常温に戻したときの基板のそりを低減させることができます。

ハーメチックシール(気密封止)について

ここまで紹介した接合方法ではハーメチックシール(気密シール)接合も可能ですが、気密性を求めない場合に比べて接合の難易度は高くなります。

接着剤・はんだを用いる方法

その他の接合方法としては、接着剤(有機・無機)を使う方法や、はんだを用いる方法などがあります。これらは設備が簡単で低温で処理できる利点がありますが、耐久性や長期的な安定性には注意が必要です。

ウェハー接合(Wafer Bonding)の基礎 — まとめ

ウェハー接合(Wafer Bonding)によって異なる材料や機能を持つウェハーを組み合わせることで、高性能・小型のデバイス実現に寄与します。

以下に各接合方法の特徴をまとめます。詳細ついては個別の記事を参照してください。

接合方式主な材料組合せ接合温度電気接続気密性特徴・適用例
直接接合Si–Si、Si–SiO₂、異種酸化膜常温(初期)〜中温アニール△※界面層なし高品質接合、MEMS構造、SOI
拡散接合金属–金属、金属–Si中温(※プラズマアシストで低温化可)強固な機械・電気接合、電極一体化
TLP接合異種金属層中温低温プロセスで高耐熱構造
陽極接合Si–ガラス中温×MEMSキャビティ封止
接着剤接合各種材料低温△(※材料依存)初期構造試作、簡易集積
はんだ接合金属電極低〜中温実装・3D集積、簡易気密封止

※直接接合でも界面設計・表面活性化条件により電気導通を持たせた研究例が報告されてます。
※拡散接合は、プラズマアシストで表面を活性化することにより、大幅な低温化が可能です。
※接着剤接合の気密性は使用する材料に強く依存し、長期高気密用途には制約があります。

弊社では、各種接合技術に関する豊富な実績を有しており、用途やご要望に応じた最適な接合方法をご提案いたします。詳細は個別にご相談ください。

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