接合強度試験

 接合強度評価では、接合部にどの方向の力を加えるかによって、いくつかの代表的な試験方法が使い分けられます。中でもよく用いられるのが、シェア試験引張試験ブレード試験です。それぞれ評価できる特性や目的が異なります。

 シェア試験(Shear test)は、主にChip-to-Wafer bondingの評価に用います。チップに対して基板と平行な方向に力を加え、接合部を横方向にずらすことで強度を評価する方法です。

 専用の装置でシェアツールをチップ側面に当て、一定速度で押し出すように荷重を加えます。この時の最大荷重や破壊時の挙動から、接合部のせん断強度を評価できます。装置構成が比較的シンプルで再現性も高く、量産工程での品質管理や条件比較によく用いられる試験です。

 一方で、装置の構造的にそれほど大きな力を測定することはできませんので、ウェハー全面の接合強度を測定するような用途には向きません。数ミリ角に切りだして測定するなどの工夫が必要です。

シェアテスト

 引張試験(Tensile / Pull test)は、一般的な材料の引張試験と同様に、チップを基板から垂直方向に引き剥がすことで接合強度を評価する方法です。チップの上面(場合によっては両面)にジグやスタッドを固定し、垂直方向に荷重を加えて破壊させます。

 通常の金属材料の引張試験では、荷重を加えると材料が引き延ばされ、断面積は徐々に減少します。さらに荷重を増やすと、材料はくびれながら細くなり、最終的に破断に至ります。このときの挙動をもとに、引張強度や降伏強度が評価されます。

 一方で、ウェハー接合のように薄く、かつ広い面積で接合された構造では、接合面の面積変化が周囲によって拘束されるため、通常の引張試験とは異なる力学的挙動を示します。その結果、計算上は材料の破断強度を上回る見かけの強度が得られることも珍しくありません。これは、材料そのものが強くなったというより、応力のかかり方が通常の引張試験とは異なるためです。

 そのため、接合強度を正しく評価するには、ジグやスタッドの取り付け方法に十分注意し、接合面全体に均一に荷重が加わるように試験系を設計することが重要です。偏荷重が生じると、実際の接合強度ではなく、局所的な破壊や治具側の破損を測定してしまう可能性があります。

 このように、引張試験は定量評価に適した方法である一方、試験条件や治具設計が結果に大きく影響するため、試験方法の妥当性を含めて評価することが重要となります。

プルテスト

ブレード試験(Blade / Wedge test)は、チップ端部や接合界面に薄いブレードを挿入し、剥離の起こりやすさを評価する方法です。くさびを差し込むことで界面に引張応力が集中し、クラックの発生や進展を観察できます。剥離がどこまで進むかを観察することで、接合界面の剥がれにくさを比較できます。

 大面積のウェハーでも評価可能で、研究開発や工程条件検討でよく使われます。その一方で、小片の評価には不向きです。