表面活性化による化学結合|ガラス-PDMS 永久接合

ガラス-PDMS 永久接合とは

ガラスとPDMS(ポリジメチルシロキサン)の永久接合は、マイクロ流体デバイス(μTAS)やバイオチップラボオンチップなどの分野で広く使われている接合技術です。PDMSは、転写などのプロセスを用いることで精巧な形状を容易に作製できるという利点があります。一方で、ガラスとは未処理の状態では強固に接着しないため、一般には表面処理を施し、化学的に結合させる方法が用いられています。

この接合は装置が比較的シンプルであり、低温接合にも向いています。

必要な表面処理

最もよく使われているのが、酸素プラズマ処理による活性化処理です。ガラス表面とPDMS表面に酸素プラズマを照射すると、それぞれの表面にシラノール基(–Si–OH)が形成されます。この状態で両者を密着させると、界面で脱水縮合反応が起こり、Si–O–Si結合が形成されます。この結合は共有結合であるため、物理的な吸着とは異なり、強度が高く実質的に永久的な接合となります。

接合時の注意点

接合プロセス自体は比較的シンプルですが、この活性化された状態はプラズマ処理後10分程度しかもちませんので、すぐに位置合わせをして貼り合わせる必要があります。

ガラス-PDMS 永久接合が使われる理由

特別な接着剤を使用しないため、流路の汚染やアウトガスが少ない点も大きなメリットです。また、透明なガラスとPDMSを組み合わせることで、内部流体の観察や光学測定にも適した構造を作ることができます。
このような特性から、ガラスとPDMSの永久接合は、短時間・低温で実現できる手軽さと、十分な接合強度・気密性を両立できる方法として、多くの研究開発や試作、量産工程で活用されています。シンプルな装置構成で高機能なマイクロデバイスを実現したい場合に、非常に相性の良い接合技術と言えます。

ヘテロ集積化における接合技術全体の整理については、
以下のページでまとめています。
→ ヘテロ集積化における接合技術の考え方(全体像はこちら)