中間層を用いた接合技術|拡散接合(Diffusion Bonding)

拡散接合の原理

拡散接合とは、金属同士を熱と圧力で密着させ、金属原子が少しずつ移動(拡散)することで接合する方法です。はんだのように金属を溶かすのではなく、固体のまま結合させるのが大きな特徴です。とくにAu-Au接合は比較的簡単でよく使われ、3D集積回路や先端パッケージ、MEMSデバイスなどで重要な役割を担っています。

接合の前には、金属表面をきれいな状態に整えることが欠かせません。表面に酸化膜や汚れが残っていると、金属原子の動きが妨げられ、しっかりとした接合にならないからです。そのため、洗浄やプラズマ処理などの前処理が行われます。

(Au-Au接合:金同士は相互に拡散しやすく、耐薬品性も高く、接合の妨げとなる表面酸化膜もほとんどできないため、接合の信頼性が高い。材料として高額なこと、他の金属を汚染しやすいのが欠点)

拡散接合の特徴

金属拡散接合のメリットは、電気的・熱的に優れた接合ができる点にあります。金属同士が直接つながるため、接触抵抗が小さく、熱も効率よく伝わります。また、はんだ接合に比べて高温に強く、長期間安定した性能を保ちやすいのも特長です。

バンプを用いた金属拡散接合で特に重要になるのが、バンプの高さがそろっていることです。金属拡散接合では、バンプ同士が面で均一に接触していることがとても大切です。もしバンプの高さにばらつきがあったり、表面が凸凹していたりすると、実際に接触する部分が限られてしまい、拡散が十分に進みません。その結果、接合ムラや強度不足の原因になります。

バンプ平坦化の必要性

接合前にはバンプ表面をしっかり平らに整える工程が欠かせません。バンプの高さを揃えておくことで、加圧したときの力が均等に伝わり、金属原子の拡散がスムーズに進みます。特にバンプピッチが細かくなるほど、平坦化の出来が接合品質や歩留まりを大きく左右します。

平坦化前

めっきで作成したバンプ上にも、下の配線層の凹凸が見えている

平坦化後

めっきバンプ上の凹凸が消えている

(参考資料:K. Hikichi et al., “Wafer-level Selective Transfer Method for FBAR-LSI Integration”, IFCS, 2014)

拡散接合が選ばれるとき

拡散接合では、実際に接合されるのはバンプやパッドなどの中間層であり、そのため接合する母材の材質に依存しにくいという特長があります。
異なる材料を組み合わせる場合や、母材同士の直接接合が難しい場合に有効な方式です。

一方で、接合時には中間層同士を十分に密着させる必要があるため、ウェハーを比較的高い力で挟み込む工程が伴います。
このため、構造が脆弱なウェハーでは割れが生じる可能性があります。

また、原子の拡散を促進するためにやや高めの接合温度が必要となる点も特徴です。
接合前の表面処理によって接合温度を低減できる場合もありますが、この方法には一定の制約があります。

このように金属拡散接合は、工程自体はシンプルに見えますが、前処理やバンプの平たん化といった下準備が接合の成否を決める技術です。

適切なプロセス管理によって、高密度かつ信頼性の高い接合が可能となり、次世代デバイスの実現を支えています。

切削によるバンプ平坦化の実績がございますので、もしご興味がありましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

実務で感じた拡散接合のポイント

拡散接合、特に Au–Au 接合は、ハーメチックシールを必須としない用途において、非常に再現性の高い接合方式だと感じます。安定した条件で接合品質を得やすく、実務上の扱いやすさがあります。

また、バンプの切削による平坦化工程を併用することで、ハーメチックシールへの対応も可能となります。
用途に応じて、信頼性と構造要件のバランスを取った設計が検討できます。

一方で、Au(金)は半導体プロセスとの親和性に制約がある材料でもあります。
そのため、使用可否や工程への影響については、事前に十分な確認を行った上で検討することが重要です。

ヘテロ集積化における接合の技術情報については、

以下のページでまとめています。

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