中間材料を使わない接合技術|直接接合(Direct Bonding)

直接接合(Direct Bonding)とは

直接接合は、接着剤やはんだなどを使わずに、2枚のウェハーをそのまま貼り合わせる技術です。主にシリコンウェハー同士の接合で使われますが、ガラスや圧電材料、化合物半導体など、さまざまな材料の組み合わせにも応用されています。MEMSや3D集積、各種センサーデバイスなど、高い信頼性が求められる分野で欠かせない技術です。

直接接合の基本原理

直接接合のポイントは、ウェハー表面を非常にきれいで平らな状態にすることにあります。表面の汚れや微粒子を超音波(メガソニック)洗浄やプラズマ処理でしっかり取り除いたあと、2枚のウェハーをそっと重ね合わせます。すると、ウェハー同士がごく近い距離まで近づき、表面の分子同士にファンデルワールス力と呼ばれる弱い引力が働き始めます

ファンデルワールス力は通常は非常に小さな力ですが、距離が狭くなるほど力を増す特長があり、ウェハー全面にわたって同時に作用するため、結果としてしっかりと吸着します。面白い現象として、最初にどこか一か所で接触すると、それがきっかけになって接合が周囲へじわっと広がっていく様子が見られます。まるで水面に落とした一滴のしずくが波紋のように広がるイメージで、接合が自然に進んでいくのです。

ただし、この段階では接合はまだ「仮止め」のような状態です。そのため、多くの場合、後から熱を加えるアニール処理を行います。加熱することで、接合界面にある水酸基同士が反応したり、原子が少しずつ動いたりして、より強い結合が形成されます。これにより、機械的にも安定した、実用に耐える接合強度が得られます。同種材料では問題になりませんが、熱膨張係数が異なる異種材料の接合では、時間をかけてゆっくりアニール処理することが重要です。

直接接合の特長

直接接合の大きなメリットは、間に余分な材料が入らないため、信頼性に優れる点です。また、ウェハーレベルでの接合により、微細構造を含むデバイス集積に対応しやすい点も特長です。

直接接合で注意すべきポイント

一方で、表面状態の影響を受けやすく、ほんのわずかなゴミや凹凸があるだけで、未接合部分(ボイド)が発生してしまうという難しさもあります。

前処理をしっかり行っておけば、二枚のウェハーを合わせて、軽く突っつくようにきっかけを与えるだけで、接合が自然に広がって完了します。

ウェハー接合技術全体との関係

直接接合は、ウェハー接合技術の一方式として位置づけられます。
用途や材料、要求特性によっては、拡散接合やTLP接合、陽極接合など、他の接合方式が選択される場合もあります。
接合方式の選定には、デバイス構造や工程条件を踏まえた総合的な検討が重要です。

※接合条件や解析内容は案件ごとに異なるため、詳細は個別にご相談ください。

実務で感じた直接接合のポイント

直接接合は、接合に必要な条件や環境が整っていれば、比較的シンプルに成立する接合方式です。
異種材料を重ね合わせて機能性材料を構成する場合には、直接接合に勝る方法はないと感じます。

一方で、プロセスを経て立体形状が形成された後のウェハーでは、表面状態の影響が大きくなり、直接接合の難易度は著しく高まります。
このような場合には、他の接合方式も含めた検討が必要になるでしょう。

関連する商品

二枚のウェハーを確実に位置合わせするためのジグをご用意しております。これを使用すれば、結晶の方向を任意の角度で合わせて直接接合することが可能です。

ヘテロ集積化における接合の技術情報については、

以下のページでまとめています。

まとめページを見る

お問い合わせはこちら

研究開発中のテーマや未公開内容を含むご相談については、
秘密保持契約(NDA)を前提とした対応が可能です。
初期検討段階の内容でも問題ありませんので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームへ